よもやま話

日常の生活の中で生きるヒントを見つけたいと思います

御文章のはなし

五帖一部御文章 
本願寺派寂如宗主の貞享元年(1684)開版本
各帖の巻末には宗主の名と花押があります

この地域には同時代の御文章がよく見受けられます
各家に仏壇を安置するようになった頃と同時期です
時代区分でいえば江戸時代の元禄時代
徳川幕府の宗教政策の影響も多分にあります

写真の通り和綴じの本ですが
手で持つ部分 指でめくる部分が 
ボロボロになり かなり汚れています

日夜 田畑を耕す手で持つのですから
当然汚れます
200年間ほど 毎朝 毎夕読めば
このようになるのでしょう
この紙の汚れを土垢(つちあか)とよんでいます

これは長年読んできたあかしなのです

法務をはじめた頃 各家にはこのような御文章が置いてあり
各家によって 字体も異なり 何が書いてあるのか
まったく読めないことがよくありました

福井県史 通史編2』 
各種の教典類のうちでは冊子形態の御文が最も汚れている。
各頁の左右の端には、必ずといってよいほど手垢・土垢が付着しているからである。「土」とともに生きた当時の坊主衆・門徒衆がじかに手にした教典、それが御文だったのである。

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