花と草と虫に学ぶ
1.ある寺院の寺報より
昨年秋、ある寺院の報恩講法座にご縁をいただきました。法話のあと御文章を拝読したのですが、御文章箱のなかにその寺院の寺報が入っているのが目にとまりました。書かれていたのは
『雑草という名の草はない 害虫という名の虫はいない』
という言葉。
法座の後、その寺報をいただいて帰り、改めて読み直したところ肯くことが多くありました。人間はとても傲慢(ごうまん)な生きものなのかもしれない。もっと謙虚に自然に学ぶべきなのではないでしょうか。
紙面に書かれていた文面を紹介します。
『雑草という名の草はない』とは植物学者の牧野富太郎博士の言葉とされています。
また、生物学者でもあった昭和天皇は、あるとき『人間の一方的な考え方で、雑草と決め付けてはいけない。注意するように』言われました。確かにどんな草にもしっかりと名前があります。また、「害虫」という名の生き物もいません。人間にとって役に立つか立たない事で区別し、少しでも害をもたらすものを、一方的に「害虫」と名付けているのです。
『人間は植物なくては生活のできない。つまり、人間は植物に向こうてオジギをする立場である』とも、牧野博士はのべています。
『阿含経(あごんきょう)』に『此ある故にかれありこれ起こる故にかれ起こる。これ故にかれ無く、これ滅する故にかれ滅する。』とあります。
すべての生き物は、『縁起(えんぎ)』の教えにあるように無数の繋(つな)がりの中で生かされている存在です。お彼岸をご縁に、懺悔の心でお礼致しましょう。
2.今年いただいた年賀状より
今年ある方よりいただいた年賀状に書かれていた言葉
四葉のクローバーを見つけるために
三つ葉や名もなき花を
踏みにじってはいけない
幸せはそんな風に探すものじゃない
『心が晴れる40のコトバ』著者吉村隆真より
なるほどなぁ!
3.人間に注意!
あちこちに「クマに注意!」の看板が掲示されています。
でも本当は「人間に注意! とても傲慢で危険です!」と書かれた看板が必要なのかもしれません。