昭和40年代頃までは12月26日~29日ごろに
旧庫裏の玄関で餅つきをしました
歳末の年中行事です
お鏡餅は30枚弱ついたでしょうか
そのあとは白餅 豆餅 こごめ餅 かき餅など
をつくりました
また その場で
きな粉餅やおろし餅などにして食べました
餅米は前日から下準備をして
当日は囲炉裏の隅にある竈(かまど)で
蒸籠(せいろ)に入れて蒸しました
囲炉裏に八升鍋を置き
四角い蒸籠(せいろ)を乗せたことも・・
蒸し具合を確認するのは前坊守
杵をもち 餅をつくのは近所の方です
かき餅は細く切り藁で編み
天井から幾つもぶら下げ
冬期のおやつになります
焼いたり油であげたり
固くなった餅は
1月中旬以降になると水につけて保存し
水餅(みずもち)として食べました
昔の記憶ですから
思い違いがあるかもしれません
大人は本当に大変ですが
子どもの私にはとても楽しみな行事でした
蒸しあがった餅米のにおい
つきたての餅の味
なんとも懐かしく思い出されます
昔の写真で退色していますし
築100年近くの古い庫裏は
どこからでも隙間風が入り
屋内はとても乱雑です
でも囲炉裏のまわりは
私の懐かしい原風景です
火の番をしながら
いろいろな空想を思いえがく場所でした
旧庫裏玄関土間での餅つきの様子
餅をつくのは近所の方 臼とりは前坊守
半日 杵(きね)の音が響いていました
ぺったん ぺったん ぺったん
餅米を蒸籠(せいろ)にいれて竈(かまど)で蒸すところ
前坊守が蒸し具合を確認し調整しています
高く重ねた蒸籠(せいろ)
旧庫裏の囲炉裏(いろり)
囲炉裏の火の番をしたり
焚(た)き付けをするのは
子どものときの私の仕事
左奥には裏山からとってきた
薪(たきぎ)がたくさんあります
薪(たきぎ)集めも子どもの仕事でした
枯れた杉葉は焚き付けの時に必要です
左隅にあるツボは消し壺で
燃え残った炭を入れて消し炭にします