よもやま話

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福井県の報恩講料理

寺院報恩講での賄いといえば
報恩講料理が定番ですが、
家庭報恩講の定番も報恩講料理でした。

私が住む鯖江市片上地区では以前、

家庭報恩講(ほんこさん)で
各家に親戚や近所の人も集まる、
「よび戸」といわれるような

ことをしていました。

「よび戸」は私が法務を始めた

昭和50年代までは一般的に行われていました。

その時振る舞われるのが報恩講料理です。

報恩講料理で厚揚げは定番で、
福井県の厚揚げ消費量が全国一の理由は、
そのことにもあると思います。

※厚揚げのことを「あぶらげ」と呼んでいます。

また必ず小豆は使いました。
親鸞聖人は小豆が好きだったと言われているからですが、
詳しい由来は分かりませんがこれは全国共通の伝承のようです。

食事の際は漆塗りの御膳とお椀を使いました。
漆塗りといえば鯖江では河和田塗りです。

ローカルな話しですが、

鯖江市片上地区大正寺の方が作った豆腐や油揚は絶品でした。

お勤めが終わったあと住職が法話をする
御座(おざ)があった家もありました。

御座(おざ)が終わると囲炉裏のまわりに集まり、

お茶を飲み漬け物を食べながら話しに花が咲きました。

話しが途切れたとき自然とお念仏の声が聞こえます。

囲炉裏の火を見ていると沈黙の時間も大切に思えてきます。

 

家庭報恩講は農作業が一段落した時期の楽しみでもありました。
とくに子どもにとっては。

思い出しながら記しています。
記憶違いもあるかもしれません。

報恩講料理は地域によって違いがあります。

そういえば石臼の上に大豆を置き木槌でたたき、

打ち豆をつくる手伝いをしました。

打ち豆は味噌汁に入れます。

また、母は報恩講のまえになると「おはづけ」を作っていましたが、
私は母の作る「おはづけ」が大好きでした。


報恩講料理ではないですが、

厚揚げの炊込み御飯(あぶらげめし)もよく食べました。

 

もう一つ余談ですが高校を卒業して県外に行ったとき、

四角い厚揚げが福井県特有のものであることを初めて知り驚きました。

 

福井の報恩講料理
1.ご飯 
2.厚揚げとじゃがいも、ナスの煮物 
3.ぜんまい
4.つぼ(里芋+あずき)
5.すこ(里芋の茎の酢漬け)
6.麩ときゅうりのカラシ和え
7.冬至南瓜 
8.冬瓜の煮物 
9.味噌汁 打ち豆が入っていることもありました
10.お茶(番茶)
その他に「おはぎ」を振る舞う家もありました。